ときどき日記

 絵や音楽、ワークショップの感想など

鑑真和上の夢

 
コロナ~!

f:id:pokorin3:20210529202421j:plain

ずいぶん長引いているじゃないか・・

おお、コロナ~~!!

 

(この像を見ると、なぜかこういうセリフが‥)

今日のめあてはこちら

f:id:pokorin3:20210528221728j:plain

色がよいのですよねぇ・・.

神戸市立博物館にて、東山魁夷の障壁画展です。唐招提寺の御影堂(みえいどう)に納められたもの。

障壁画って、(私は壁画と混同していましたが、)障子絵みたいに、紙に描いて貼りつけた絵のことだったんですね。

f:id:pokorin3:20210528222404j:plain

(引用元:東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展 公式サイト)


それにしても、こういうエメラルドグリーンの海が日本の近くにあるのかなぁ。
あるとしたら、沖縄の海とかだろうか(行ったことないけど)。

唐招提寺を創立したのは鑑真ですが、
鑑真が日本に来たときの航路をみてみると、沖縄を経由していたらしいです。

ではやはり沖縄の海の色かな、と思いましたが
それにしては、岩のゴツゴツした表情は日本海ぽい。

f:id:pokorin3:20210529141203j:plain


うーん、どこの海やろ。と思っていましたが、この絵について東山魁夷自身が話した講演の記録がありまして、
それによると、青森から山口まで写生の旅をして、絵の構想に最もふさわしい情景を見ることができたのは能登だったようです。
海の色は、日本画の絵の具の錆群緑(さびぐんろく)のような感じだったとのこと。

f:id:pokorin3:20210530163741j:plain
 ↑ 錆群緑 (引用元:ピカソ画房)

そうそう。日本海の色って、こういうイメージ(パソコンの画面をブルーライトカットにしていると、ほぼ黒です)

錆群緑はかなり深い色ですが、もう一方の障壁画(山)の色に合わせて淡い色にした、とありました。

ちなみに、錆群緑から錆をとって群緑(ぐんろく)で調べると、こんな感じの色が出てきます。

f:id:pokorin3:20210530164022j:plain(引用元:丹青堂)


どれもええ色やな~。好き好き。


画面から海のいろんな音が響いてくるようで、ほんまに見ていて飽きません。作品の名は『濤声(とうせい)』(波の音という意味)です。あなうるわし。



kaii2021.exhn.jp



コシノヒロコ展


兵庫県立美術館へ、コシノヒロコ展を見に出かけました。

f:id:pokorin3:20210417211124j:plain

自画像かな。インパクトあります。


f:id:pokorin3:20210417202442j:plain

絵と服の組み合わせで展示されています。素敵やなー

華やかなのもいいですが、こういうシンプルなのが、やっぱり好きだなーと思います。

あと、けっこう不思議な味わいのある絵を描かれているのですよね。

f:id:pokorin3:20210417204135j:plain

不思議系だ・・

プロジェクションマッピングで、壁に投影されていました。


f:id:pokorin3:20210417204314j:plain

なんかブレてますね・・ 絵が切り替わる途中か、手ブレかな

右のほうの魚とか、やっぱり面白い。ファッションデザイナーとしての顔からは、ちょっと想像できないですね。


f:id:pokorin3:20210417204512j:plain

これもいいなぁ。


以前、ミナペルホネン(ファッションデザイナーの皆川明さんのブランド)の展示を見た時も思ったんですが、第一線で活躍しているデザイナーさんて、絵を描いてもいいものを描かれるんですよねぇ。それも、見る側の予想を裏切るようなものを。

ただ圧倒されるだけじゃなくて、見終わった後、エネルギー充填した感じになるのがいいです。


大分久しぶりに、インターネットミュージアムにもレポートを出しています。
           ↓
https://www.museum.or.jp/report/102000

 

 

皆川明の世界


「ミナ ペルホネン / 皆川明 つづく 」展(兵庫県立美術館)を、会期終了まぎわに観に行ってきました。

f:id:pokorin3:20201107194512j:plain


エントランスに、クッションが敷き詰められています。その数、約330個。

てっきり手で触っていいものだと思って、触りまくってしまいました。すみません。(汗)


ミナ ペルホネンはファッションブランドの名で、皆川明さんはブランドを立ち上げたファッションデザイナーです。


こちらは、洋服の森

f:id:pokorin3:20201107194902j:plain

ブランド設立以来、25年間でつくられた服  約390体が展示されています。


中には、こーんなコートですとか

f:id:pokorin3:20201107195040j:plain



このようなジャケット&スカートですとか

f:id:pokorin3:20201107195118j:plain


服の形も可愛らしいんですが、生地がもう、素敵で・・

生地のデザインも、皆川さんが手がけられています。




生地のデザイン原画と、それをもとにつくられた生地が並んだ展示も興味深い。

たとえばこちらの原画は、

f:id:pokorin3:20201107195221j:plain(おサルさん?)

布になると

f:id:pokorin3:20201107195328j:plain このような感じ。

刺繍や織りなど、名前の出ない職人さんの仕事もまた素晴らしいのだろうな。


こんなに素敵なデザインや服づくりをされている皆川さんですが、裏の顔(ということもないけど)がまた、すごいです。


●挿絵の世界

皆川さんは挿絵も描かれるそうで、新聞の連載コラムの挿絵が紹介されているんですが

f:id:pokorin3:20201107195457j:plain

(展示ケースの境目が写りこんでいます)


こちらの挿絵のタイトルは『石の話』。

たしかに、彼らは会話している・・(ような気がする)。


私は「石どうしの会話」と思い込んで見ていましたが、「石についての話」という意味だったのかもしれません。



f:id:pokorin3:20201107200504j:plain



こちらのタイトルは『ヒツジカゲ(羊影)』


絵も、タイトルのセンスも、好きやなー。



f:id:pokorin3:20201107200601j:plain

タイトルは『これからの今』。


たしかに、こんな形になっている気がする。



カバンにプリントするイラストの原画も展示されていました。

f:id:pokorin3:20201107200757j:plain


あの素敵な服のデザインをする人が、この絵を・・。


いや、これはこれで素敵なんですが、素敵の方向性がまるきり違うというか。
(意外なような、でも、なんか分かるような)


上の原画をもとに出来上がったカバンがこちら

f:id:pokorin3:20201107200950j:plain


これは、原画の方がいい気がする。



そのようなわけで、オモテの顔もウラの顔も、刺さる展示でした。

展示は11/8(日)で終了となりますが、
ミナペルホネンのショップは、京都にもあるんですね。(買うのはお高いのだろうな)

こういう服をつくる人生というのが、ちょっぴり(かなり?)うらやましい気がします。

 

 

わびの探究


先月、逸翁美術館(大阪)の展示「わびとサビとはどう違う?」を観に行ってきました。

逸翁美術館 チラシ

※会期は9月6日まででした

わびとサビの違いなど意識したことがありませんでしたが、
サビの方は、時間の経過が関係しているんですね。

古びて出る味わいがサビで、
わびの方は、古いとか新しいとかは関係ないのか。
まぁ、重なる部分も多いみたいです。

帰りに、阪急電車と「すみっコぐらし」のコラボ電車に出くわしました。

すみっコぐらし号

『すみっコぐらし号』

手前の方に写っているキャラクターは、まったりと温泉につかっているのかと思いきや、
ナベの中の液体は天ぷら油で、中に浸かっているのは大きい方がトンカツ、小さいのがエビフライらしいです。意外にシュールですね。


下は、車内ステッカーです。

すみっコぐらし ステッカー

部屋のすみっこで落ち着くすみっコたち。


ひょっとしてすみっコぐらしって、わびの精神を体現しているのでは・・と思い、ためしに背景を和風のものに変えてみました。

すみっコぐらし 和風



ジブリのアニメとかに出てきそうですね。



白黒にしてみたら、どうだろう。

すみっコぐらし 和風2

地味になった





やはり背景は茶室がいいかな。

人数を減らして、お茶を持たせて・・

f:id:pokorin3:20201022163528j:plain



なかなか楽しそう。

お茶やダンゴをもつキャラクターは、阪急電車京都線に現れるもの。(2021年3月まで)

背景の茶室は、昨年(2019年)、大阪市立東洋陶磁美術館で開かれた『マリメッコ・スピリッツ』展で撮ったものです。


tokidokibunka.hatenablog.com


茶室とはいえ華やかですね。あまり、わびっぽくないですが‥ まぁいいか・・





静かな展示室


大阪市立美術館で開催されている『フランス絵画の精華』展を観に行ってきました。

f:id:pokorin3:20200709205727j:plain


雨のためか来場者はそれほど多くはなく、さらに(感染予防のため)会話はご遠慮くださいとあって、展示室内はとてもしずか。


チラシに掲載されているような華やかな女性像にひかれて行ったんですが、思いがけず、ラ・トゥールの絵を観ることができました。

f:id:pokorin3:20200708221532j:plain
《煙草を吸う男》1646年? ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 東京富士美術館 所蔵


闇の中、木でおこした火に息を吹きかける人物。

この絵にふさわしい、静謐な展示空間でした。

お客さんどうしであれこれ話しあう声が聞こえてくるのは美術展の常ですが、静けさの中で観るのもいいですね。特に、このラ・トゥールのような作品の場合は。


・・・


ラ・トゥールに興味をもったきっかけは、「美術館の舞台裏」(高橋明也 著)という本でした。

f:id:pokorin3:20200710212329j:plain


著者は、国立西洋美術館での『ラ・トゥール』展(2005年)を企画した方。
貴重な作品を集めるためにフランス中を行脚したというエピソードについても書かれていて、著者がこれほど情熱を注いだラ・トゥールの絵とはどんなものだろうと思っていました。

ちなみに、日本にはラ・トゥール作品が2点あり、一点は著者が在籍していた国立西洋美術館が所蔵。もう一点は、今回観た《煙草を吸う男》(東京富士美術館蔵)です。
しとしと雨が降る日にも似合う展示でした。

 

 

ちらしの美


ちらしとかポスターの類が好きで、見に行った美術展や催しのちらしはだいたい保存しています。

さらに、見に行っていなくても、魅力的でどうしても手放せない、というちらしがけっこうあります。

 

f:id:pokorin3:20200420212308j:plain

●わざゼミ2010報告展(2011年、京都芸術センター)


わざあり。





f:id:pokorin3:20200420195837j:plain

●京都創成座第7回公演 邦楽アンサンブル(2012年、京都芸術センター)


原画は手書きだと思います。
四隅に配置された動物は、四神というのかな。

東は青龍(せいりゅう)、西は白虎(びゃっこ)、南は朱雀(すざく)、北は玄武(げんぶ)




f:id:pokorin3:20200420194655j:plain

北宋汝窯青磁 考古発掘成果展(平成21年、大阪市立東洋陶磁美術館


こんなデザイン、よく考えつくなぁ・・

東洋陶磁美術館の、青磁の展示ちらしです。
はりめぐらされたグレーの細い線は、漢字の輪郭線をデザインしたものだと思うんですが、青磁の貫入のようにも見えます。

(ちなみに ”汝窯” は、「じょうよう」と読むみたいです。)




こちらは舞台芸術の世界。

f:id:pokorin3:20200420200132j:plain

舞台芸術の世界(2007年、京都国立近代美術館

なんでか分からんけど、好きです。




芝居のちらしも。

f:id:pokorin3:20200420200217j:plain

泉鏡花天守物語/花組芝居(1997年)

イラストが良くてですね・・。(イラスト by 岡田嘉夫 )

B5サイズの、つるんとした紙です。




また、青磁っぽい色。(こういう色が好きなのか・・)

f:id:pokorin3:20200420200604j:plain

●etote(京都で学ぶ、ものづくり教室「え と て」)受講生募集


かわいいやんか~。
サイズもかわいく、A5です。


イラストは、セキユリヲさんかな。講師をされていたみたい。

↓  裏面

f:id:pokorin3:20200420200814j:plain




ジャン・コクトー

f:id:pokorin3:20200420201100j:plain

ジャン・コクトー展(2005年、大丸ミュージアムKOBE)


この展示は、観に行ったかもしれない・・ むかし過ぎて、記憶があいまいですが。

B5サイズです。

↓ 裏面

f:id:pokorin3:20200420201223j:plain

印刷向きの絵ですねぇ。



こちらは日本画ですが、近代的なのです。

f:id:pokorin3:20200420201324j:plain

小林古径展(2005年、京都国立近代美術館


絵がかわいい。『竹取物語』。


最後は、手前みそですが(勝手に)コラボしたちらしを。

f:id:pokorin3:20200420201712j:plain

●表面への意志(2006年、京都市美術館


また、この色‥。よほど好きなんですね。(そう言えば、このブログの背景色も・・)

カッパはあとから貼り付けたもので、もとは青みがかった色の変化と質感だけを見せる、超クールなちらしです。
自作のカッパを白黒出力してキリバリしたところ、意外になじみました。意味不明な感じで、気に入っています。

片づけははかどらずやはり気に入ったちらしはなかなか捨てられないということがわかりました。10年とか20年とか持っていて、今も手放せないので、たぶんずっと持っておくことになりそうです。


以上、すてきなちらし 保存版でした。


よい建築


少し前に出かけた 『TOOTH TOOTH maison 15th』
         トゥーストゥース メゾン ジュウゴ (と読むらしい)

f:id:pokorin3:20200328123903j:plain

神戸市立博物館の裏手で、お茶できるお店です。(ランチやディナーもある)


f:id:pokorin3:20200329124736j:plain

アートな店内。

一杯数百円のティーで、えらい贅沢な気分にさせてもらいました。


f:id:pokorin3:20200328124921j:plain

店内で販売されている紅茶のパッケージも個性的。



お店の入っている建物(旧神戸居留地十五番館)重要文化財だったんですね。

f:id:pokorin3:20200419193646j:plain
建物の外観(お店のホームページより)

右のほうに写っている建物は神戸市立博物館(の、裏側)。

美術鑑賞のおともにも、ぴったりです。


今はご多分にもれず、臨時休業中です。

一日も早い収束を・・(T_T)
www.toothtooth.com