ときどき日記

 絵や音楽、ワークショップの感想など

藤田美術館


藤田美術館に行ってきました。

↑ 展示室を出たところ

 

中は撮ってないんですが、作品とだけ向き合える空間。めちゃよかったです。
展示解説のパネルはほとんどなく、説明を見たい人は自分のスマホで見るしくみ。

エントランス前のひろ~い空間で、お茶を提供してはりました。
お団子セットは500円なり。

美術館に入らなくても利用できます。
若い人が、とっても多かった。

セットを提供するときに、スタッフの人が茶碗の説明をしてくれました。写真のこれは確か三重県のなんとかいう人(すみません、忘れた)の窯のもの。
こういう形で茶碗に親しむことができるのって、理想的だなぁ。

完食

 

ちなみにこの美術館は、デートにもぴったりだと思いました。(実際、カップルが多かった‥)

あとで知ったけど、19才以下は入館料無料という太っ腹ぶりです。若い人に気軽に親しんでほしいという趣旨だろうけど、それは実を結ぶんじゃないかなぁ。なんといっても展示物もいいし、見せ方もいい。そのときはピンとこなくても、あとでじわじわ来るんじゃないかな。

キャッシュレス化をすすめているそうで、団子セットも図録もクレジットで購入。
なんと受付カウンターもなく、スタッフの人が立っているだけ。いろいろミニマムでした。

左側の重たそうな扉が、展示室への入口です。(どこにも「入口」とか書かれていないのがまた‥。)


庭園や公園が隣接していて、都会の美術館と思えない。思いがけず自然がいっぱいで、ええ感じです。

 


というわけで、藤田美術館の印象がむちゃくちゃ良かったのですが、もとはコチラが目当てで出かけたのでした。

山王美術館

テルモントレの美術館。もともとなんばにあったのが、9月に京橋に移転してきたのです。

最寄り駅(京橋駅)で出口をまちがえて、目の前に美術館の建物が見えているのに、ウロウロと歩き回るはめに。。汗
駅前のダイエーがなくなっていて、連絡通路が消滅していたのが計算外だった・・。山王美術館へJRでお越しの際は、くれぐれも出口にお気をつけください。
展示は3フロアに分かれてましたが、個人的には入り口を入ってすぐのロビーの雰囲気が一番好きかもしれない。小磯良平の絵が飾られていました。

www.hotelmonterey.co.jp


この美術館は、コーヒーやお茶をセルフサービスで頂けるのも
良かったです。食後のデザートみたいなもので、鑑賞後の一杯は値打ちあるなぁ。(やっぱり、花より団子かな‥)
お茶の覚醒効果(?)で「そうだ、藤田美術館にも行こう」と思いたち、川沿いをテクテク歩いて行ったのでした。10分とかからない。大阪城も見えるし、いい散歩コースです。

 

切り絵を見た


うめだ阪急の9階に染織の展示を見に行ったら、こんな展示もやっていました。


この作品、よかったです。
小牧美穂という人の切り絵。

よく見ると、ひとがたがいっぱい流れてるんですが‥ 


作品キャプションによると、
《けがれの行方》
六月に行われる『なごしのはらえ』ではらわれた、私たちの無数の穢れは
一体何処へ行くのだろう、と何時も思っています。初夏の花々に見送られて、
宇宙の果てに吸いこまれて行ってしまうのか…そう想像して切りました。


印刷とか画面で見るのじゃなく、切り絵だから、足を止めて見入ってしまうんだろうな。
紙の切り口がみえて、ちゃんと、物がある、という感じがする。


作品キャプション
   ↓
《消滅する2人》
あまりに大きな影響を受けた人と別れを告げると、自分迄崩壊し消えて行く様な気がする…
いや、確かにそうだと思った印象を切り絵にしました。
花は消えて行く双方への手向けです。


この絵はポスターでも使われています。でもやっぱり、切り絵で見ると全然ちがう。

切り口からみえる紙の質感とか、作者の創造への意志とか・・

モディリアーニ展


またまた大阪中之島美術館で。モディリアーニ展に行ってきました。

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会場入り口

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(ちょっとモアレ入ってしまった・・)

 

こちらは写真OKでしたよ

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肌の表現がすごく肉感的だなぁとか、あの独特の顔立ちは、アフリカ美術(仮面)の影響だったのか、とかいうことが分かりました・・が、やっぱりもう少し写実寄りのほうが(特に顔の表現)、自分は好きだなぁ・・

ただ、印象は、ものすごく強いんですよね。もともと彫刻家をめざしていたけど、病弱のためあきらめて絵画に転向したそうで、それがなんとなく納得できる感じ。
そうか、キャンパスの上で彫刻を表現していたんだな、と。


開幕初日の土曜日に観覧。めちゃ混んでいるということもなく、まずまず見やすい人出でした。

美術館やとなりのダイビルのまわりがお花畑で春爛漫という感じで可愛く、帰り道も楽しかったです。せっかく美術館に行っても、まわりがビルばっかりじゃ殺伐としますもんね。こういう気遣いはうれしい。


あれこれ・・


平等院鳳凰堂の音楽

http://hotozero.com/?p=22657 

○音楽のジャポニスム

http://hotozero.com/?p=22361 

 

京都市立芸術大のセミナーレポートです。華やかさはないんですけど、「へぇ~」なんですよ~

 

大阪中之島美術館


オープンしたての大阪中之島美術館に行ってきました。
当面、日時予約制なんですが、思い立ったが吉日と、当日に思い立って。
週末でまずまずの人出だったけど、無事に当日券を買えました。

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開館記念の展示「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」が開催中。
お目当ての《祭りのよそおい》(島成園 作)のほか、下の《屋上運動》(前田藤四郎 作)という版画が気に入りました。

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(写真:『美術手帖』より引用)

筋骨たくましい女性?たちが謎の服装とポーズで‥。ううむ、ワケがわからん。
船場ビルディングの屋上らしいです。


下の絵は、題が《オミクロン》というのです。
イムリーすぎる。

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何とも感想の持ちようのない絵だと思ったんですが、その名前ゆえに記憶に残ります。
未来は未知であるとか、現状を静観するとか…そんな感じですかね。無地のキャンパスに何を描くこともできる。明るいのと暗い方に分かれていっているようにも見える。どうしてもウイルスと関連づけて観てしまいますが、描かれたのは1960年です。

そもそも「オミクロン」ってどういう語源なんだっけ?と思ってぐぐったところ(アルファ株、ベータ株、デルタ株あたりはなんとなく理解していた気がするんですが)
オミクロンもギリシャ文字を順番にあてがったということのようでした。私が知らなかっただけで、カッパ(Κ)株とかいうのもあった。

しかしまぁ、絵のベースの色はおだやかで明るい。未来は未知ですが、オミクロンはあまねく世界に広がり、パンデミックはまもなく終了するのだろう。と思いました。

美術館の外観は「黒い箱」という感じでしたが、堂島川ぞいの遊歩道やお隣りの関電ビル、国立国際美術館とも歩行者デッキで結ばれていて、歩行者にとってアクセスしやすいのはいいです。

「美術館が壁のように立ちふさがり、人の流れが遮断されてしまうのは中之島にとっていいことではない」「(歩行者デッキで)場所と場所をつなげていく」ということを設計者が語っていまして、なるほどこのことか(これが設計コンペの勝因やな)‥と、勝手に思いましたです。

美術館の1階と2階が、無料で出入りできるスペースになっているのもいいな。ボーっとくつろげる公共空間って、大事だなー。

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  ↑ 確か建物の4階

写真撮影可の作品もけっこうありました。

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ロートレックのポスター、意外に大きかった。
ロビーにある立体作品(ひとつ上の写真)と、ちょっとポーズが似ている?

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マグリットの作品。

女神の展示


龍谷ミュージアムの展示「アジアの女神たち」展をみてきました。
熱心な仏像好きとか考古学ファンというわけでは全然ないけど、やっぱりいろいろな話を聞くと、おもしろい。
(ただキャッチ写真は、「土偶」のほうがよかったかもしれない‥)

アジアの女神は変幻自在? 龍谷ミュージアム特別展「アジアの女神たち」レポート
http://hotozero.com/enjoyment/learning-report/museum-ryukoku_asia-megami/

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※展示は11月23日まででした

あれこれ その2


●絵画の時間

画家の山口晃さんが、京都芸術大学公開講座の授業。
『型と創造』についてのお話、むちゃくちゃ面白かったです。

画家・山口 晃の独特すぎる表現はどこから? 京都芸術大学 公開連続講座「日本芸能史『型と創造』」レポート
http://hotozero.com/enjoyment/learning-report/kyoto-art_yamaguchi_akira/


ちょうど良い具合に、京都で個展をやってはります。

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祇園の一角にある「ZENBI」という美術館で、11月7日まで。
町屋をリノベーションしたような、こじんまりした美術館どした。



新聞小説親鸞』(五木寛之著)の挿絵の原画が展示されていました。(ここは撮影OK)

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いろんなタッチの絵がありますね・・。『親鸞』、ちょっと読みたくなります。



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ううむ・・ やや身につまされる? (いやいやそんなことは 汗)


くず切りの店『鍵善良房』がつくった美術館なので、入場券を買ったらお菓子をくれました。

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あっという間に胃袋に消え去りました。

ZENBI 鍵善良房
https://zenbi.kagizen.com/


追記

くずきり、やはり食べたいなぁ‥ と思い、後日あらためて、鍵善のくずきりを食べに行きました。


お店に入ったときは、若者のグループや、南座帰りのマダムなどでにぎわってましたが、私が客席につく頃にはちょうど良い具合に人がはけ、密にならない感じになっていました。次にいつ京都に来られるか、分かりませんしね。私にしては珍しく、並んで待って入りました。

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黒蜜のくずきりです。ツルツル~っと食べてしまう。

もうちょっと噛んで味わいたい気もしますねぇ。そういう食べ物ではないのだろうけど。

 

●さらに追記

この日(くずきりを食べた日)は、上村松園展(京都市京セラ美術館)を観に行きました。

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松園さんの絵は何度か見たことがあるけど、後期のとり澄ました?ような感じの美人画より、前期、中期の柔らかみのある表情の作品が、やはり好きだな。


ただ、後期の作品の中でも、静御前を描いた「静」はよかった。あと、何だったっけ…作品の名前は忘れたけど、様式的だけど近代的な、デザイン性の高い作品も、好きだなー。


美術館から、『鍵善良房』のある四条まで、歩いて戻りましたが、本当に人が少なかったです。知恩院の前もガラガラ。

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知恩院の前なのに、知恩院の前なのに、この、人けのなさ…。いったいどうしたことか。もちろんコロナのせいで、それは分かってるんだけど、それにしても…。